ChatGPTの有料版「ChatGPT Plus」に20ドルの価値があるのか?実際に利用してわかったこと

ChatGPTの有料バージョンである「ChatGPT Plus」が2023年2月11日から日本国内でも利用可能になりました。無料版でも十分に強力なツールであるChatGPTの有料版について、課金の必要性を感じていない方も多いのではないでしょうか?

この記事では無料版と有料版でできることの比較だけでなく、筆者が実際に使用して感じた有料版のおすすめポイント、そして有料版に月額20ドル(2023/05/26時点で約2800円)の価値があるのか正直な考えをお伝えします。

ChatGPT Plus(有料版)とChatGPT(無料版)の主な機能比較表

ChatGPT Plus(有料版)とChatGPT(無料版)の主な違いは下記の通りです。

ChatGPT PlusChatGPT
利用料金月額20ドル無料
使用する大規模言語モデルGPT-4
GPT-3.5
GPT-3.5
ピークタイム制限無し混雑時は制限あり
質問回数制限ChatGPT-4:25回/3時間
ChatGPT-3.5:無制限
回数制限あり
応答スピードChatGPT-4:普通
ChatGPT-3.5:超高速
普通
プラグイン利用可能不可
ブラウジング機能ありなし

ChatGPT Plus(有料版)利用の3つのメリット

筆者が実際にChatGPT Plusを利用した中で感じた、ChatGPT Plusの利用メリットは次の3点です。

有料版メリット①ChatGPT-4が利用可能

ChatGPTの魔法のようなシステムの脳みそ部分にあたるのが「GPT」と呼ばれる大規模言語モデルです。このモデルの最新バージョンである「GPT-4」を使えるのが最大の特徴と言えます。圧倒的に進化した回答精度や入出力機能はもちろんのこと、長文での入出力が可能になるなど様々なアップグレードがされています。

GPT-4とは?GPT-3.5と何が違う?【徹底比較】

有料版メリット②応答スピード向上と制限撤廃

ChatGPTを業務で使うことを考えると「制限なく高速にストレスフリーで利用する」ことが求められます。このあたりが非常にスピーディーでストレスフリーになるのが有料版の大きなメリットと言えるでしょう。

有料版メリット③プラグインなどの最新機能が利用可能

最後にして最大のメリットはChatGPTの新機能の先行利用ができる点です。現時点で利用できる先行機能には次のようなものがあります。

  • ブラウジング機能
  • プラグイン機能

オンライン上のデータを読み取って回答してくれるブラウジング機能は、2021年9月までのデータしか学習してないChatGPTの欠点を補ってくれます。また他サービスとの連携を実現するプラグイン機能はChatGPTのチカラを何倍にも拡張してくれます。

【ビジネス向け】ChatGPTのおすすめプラグイン7選【業務効率化】

現在開放されている先行機能以外にも、ChatGPT-4では次のようなことが実現できると発表されており、今後先行機能として有料ユーザーにのみ先行開放されていくと考えられます。

  • 画像を用いた入力(質問)
  • 画像、動画、音声などによる出力(ChatGPTからの回答)

ChatGPT Plusに加入するべき人、加入しなくていい人

ChatGPT Plusに加入するべき人と、そうでない人について、筆者の正直な意見をお伝えします。結論から言って、ChatGPTを仕事に活かそうと考えている人にとっては、ChatGPT Plusへの加入(月額20ドルの課金)は十分に利用価値のあるものだと感じました。特に高い価値を感じたのは「応答スピードの向上」「最新機能の先行利用」の2点です。

応答スピードの向上はビジネス利用には必須

無料版ChatGPTの応答スピードは「キーボード入力が早い人のタイピング」くらいなのに対して、ChatGPT Plusの応答スピードは爆速です。一度課金版を利用したら二度と無料版に戻れないくらい快適な返答スピードを実現しています。

このメリットは「ChatGPTからの返答を待つ時間が削減される」というだけにとどまりません。ChatGPTの活用にはプロンプトをどれだけうまく使いこなせるかが鍵を握っており、自分が期待する出力をしてもらうためにはプロンプトの改善作業が必要不可欠です。そのためには「入力→出力→改善して入力→出力→改善して入力→出力・・・」ということを繰り返す必要があり、その際に返答スピードUPや回数制限撤廃は非常に大きな意味を持ちます。

そのため、応答スピードの向上は時間短縮だけでなく出力の質の最大化につながります。

最新機能の先行利用は既に有用であり、今後にも期待

プラグインを活用したChatGPTは、無料版の何倍も業務に手放せないものになります。そして今後もリリースされるであろう様々な最新機能はChatGPTの可能性をさらに大きくしてくれるだろうという大きな期待を持たせてくれます。

そのためにも先行機能が利用できるChatGPT Plusへの課金価値は十分にあると感じました。

逆に次のような人にとっては、無料版で十分だと感じました。

無料版で十分な人①ChatGPTをとりあえず触ってみたいという人

とはいえ、ChatGPTの基本的な機能は無料版で利用することができます。とりあえずChatGPTを触ってみたいという人はまずは無料版を利用してみると良いと考えます。無料版を頻繁に利用するようになると自然と「応答スピードの遅さ」や「ピークタイムの使用制限」に対してストレスが溜まってくるはずですので、そのタイミングで有料版の利用に切り替えるというのでも良いでしょう。

無料版で十分な人②GPT-4の利用のみを目的とすると月額20ドルの価値は感じられないかもしれない

GPT-4が利用できることがChatGPT Plus契約の最大の価値のように書いているメディアも多く見かけますが、筆者の正直な感想としては「それだけを目的とするなら月額20ドルは高い」というイメージです。主な理由は次のとおりです。

  • GPT-3.5自体が非常に優れているため、GPT-4との差分だけで月額20ドルの価値があるかと言われると難しい
  • GPT-4の注目機能である「画像によるインプット」や「画像や音声などのアウトプット」はまだ公開されていない
  • Google Chromeの拡張プラグインなどを使うと、無料でブラウジング機能などは使える

Google Chromeの拡張プラグインについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

ChatGPTのプラグインとは?無料でも一部使える方法も解説

ChatGPT Plusの利用料金、支払い方法、課金タイミングなど

ChatGPT Plusは月額20ドルとなっています。2023/05/26時点で約2800円となっています。

支払い方法はクレジットカード(VISA, Master, AMEX, JCBに対応)のみとなっており、デビットカードや請求書払い、銀行振込などには対応していません。

無料試用期間はなく、契約と同時に料金が発生します。また、クーポンなどは存在しません。

月割などはなく、課金日からちょうど1ヶ月後が次の課金日となります。自動更新となっているので、継続利用をしたくない場合は自身で次回課金日までに解約を行う必要があります。また、解約作業後も次回課金日までは有料版を利用することができるので、次回の支払いはしたくないという場合は早めに解約作業を行うことをオススメします。

ChatGPT Plusの登録方法・解約方法

ChatGPT Plusは次の手順で登録(契約)が可能です。

  1. ChatGPTの操作画面にアクセス
  2. 「Upgrade to Plus NEW」をクリック
  3. 「Upgrade plan」をクリック
  4. クレジットカード情報を入力し「申し込む」をクリック

また、解約は次の手順で可能です。

  1. ChatGPTの操作画面にアクセス
  2. 左下の自身のアカウント名をクリック
  3. 「My Plan」をクリック
  4. 「Manage my subscription」をクリック
  5. 「プランをキャンセル」をクリック
  6. 次のページでも「プランをキャンセル」をクリック

ChatGPTの世界に飛び込もう

本記事ではChatGPTの有料版である「ChatGPT Plus」について解説してきました。筆者はChatGPTを業務に活用したいと考えるビジネスマンにとって、月額20ドル分の価値は十分あると感じましたが、有料版であっても無料版であっても、まずはChatGPTの世界に飛び込んでみることが大切だと強く感じます。

ChatGPTの詳細な解説は次の記事で行っていますので、ぜひご覧ください。

【解説】今話題のChatGPTが7分でわかる!始め方や使い方、知って得する豆知識など