【最新事例】ChatGPTを導入した日本企業・自治体・学校などの活用トピックス26選

いま流行のチャット型AIサービス「ChatGPT」。
実際に仕事の中でどう使われているのか?安全性に問題は無い?などが気になる方も多いでしょう。
この記事では「ChatGPT API」及び対話型AIの業務活用を公言している日本の大手企業や中央官庁、自治体、学校教育機関の活用事例を紹介します。

日本企業がChatGPTを導入した事例やトピック

ライオンの事例

ライオンは5月22日に、グループの国内従業員約5000人に向けて、ChatGPTを利用した自社開発のAIチャットシステムを公開しました。

ライオンが公開した対話生成AIは、日本マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」を活用したもので、正式名称は「LION AI Chat Powered by ChatGPT API」という。

企画資料の作成サポートや、専門用語を理解しやすい一般的な言葉に翻訳することで社内外コミュニケーションを円滑にするなど、さまざまなシーンで業務効率化を図るという。

ライオンはChatGPTをどう活用?業務効率化「3つのポイント」を大公開

パナソニックグループの事例

大手電機メーカーのパナソニックはChatGPTと同等の機能を持つ社内AI(人工知能)「PX-AI」を社員に開放しています。

対話型AIは事業会社の1つ、パナソニックコネクトが2月から先行導入していた。その流れを受け、日本で働くグループ従業員約9万人に拡大展開することを決定。CIO会議からわずか約1カ月後の4月14日、米オープンAIが開発したChatGPTと同等の機能を持つ社内AI「PX-AI」を社員に開放した。

パナソニック、「ChatGPT全社展開は10分で決めた」

電通デジタルの事例

国内最大級の総合デジタルファーム、電通デジタルは全社員がChatGPTを利用しています。

これまでコピーや広告文の素案の作成など、エバンジェリストが中心となって使用していたOpenAIのAPIを、全社員が業務に活用できる環境を整え推進することで、業務効率化や最先端のAI技術を活用した効果的なソリューション提案力の全社的な底上げを目指します。なお、当社では「ChatGPT」と最新の社内データベースが連動する独自の機能を開発しており、より正確で質問者の意図に則した回答を得られるようカスタマイズしています。それにより、全社員による容易かつ効率的な利用を可能にしています。

電通デジタル、全社員がChatGPTを利用開始

ベネッセホールディングスの事例

通信教育・出版などの事業を行うベネッセは、グループ社員約15,000人を対象にAIチャットサービスを運用しています。

現場の開発者・企画者が安心・安全な環境でAIチャットサービスを検証できる環境を整備することを目的に、Microsoft Azure上のOpenAIを活用したAIチャット「Benesse GPT」を開発いたしました。社員はイントラネット上で、いつでもAIチャットサービスを使用することができるようになり、セキュアな環境下でAIチャットサービスの業務効率化への活用や、商品開発に向けた技術活用の検証などが可能になります。

社内AIチャット「Benesse GPT」をグループ社員1.5万人に向けに提供開始

サイバーエージェントの事例

メディア事業やインターネット広告事業を展開するサイバーエージェントは「ChatGPT」を適切かつセキュアに活用することで、広告オペレーションの効率化に取り組んでいます。

「ChatGPTオペレーション変革室」は、広告オペレーションにおける作業時間を大幅に削減することを目的として「ChatGPT」を適切かつセキュアに活用することで、さらなる広告オペレーションの効率化に取り組みます。まずは自動回答や海外拠点とのコミュニケーションなど社内コミュニケーションの補助を中心に作業時間の効率化を図り、現在月間で広告オペレーションにかかっている総時間約23万時間のうち30%にあたる約7万時間の削減を目指します。

ChatGPTで広告運用の実行スピードを大幅短縮する「ChatGPTオペレーション変革室」を設立

三井住友フィナンシャルグループの事例

三井住友銀行は日本マイクロソフト株式会社と連携し、独自の対話型AIを4月に試験導入しています。

三井住友銀行は、代表的な対話型AIである「ChatGPT(チャットGPT)」をつくった米オープンAIに出資する米マイクロソフトなどと連携。独自の対話型AIを4月に試験導入した。社内で使う資料や、ソフトウェアの設計図である「ソースコード」の作成に使えないか探るという。

対話型AI、メガバンクも活用へ でも一般向けChatGPTは厳禁

リクルートのトピック

ゼクシィやリクナビ、Indeedなどのサービスを展開するリクルートも活用する営業サービスが、大規模言語モデルGPTを活用した形へとリニューアルしました。

商談解析サービス「Bring Out」を提供するブリングアウトは2023年4月、GPTを既存の営業ツールに組み込んだ「GPT対応版 Bring Out」をリリースした。 GPT対応版ツールは、商談の内容をAIが解析して自動的にスコア化するだけでなく、次回の商談で聞くべきことまで提案してくれるサービス。既に、リクルートや日本M&Aセンター(東京・千代田)などに営業活動を行い、20弱の企業が採用を検討したり、実際に使用したりし始めているという。

リクルートがGPT対応ツールで営業改革 営業トークをAI生成

パーソルグループのトピック

総合人材サービス、パーソルグループのパーソルイノベーション株式会社は、自然言語処理をはじめとするAI活用推進のためのプログラム「AIラボ」をスタートしました。

本プログラムは、AI技術について継続的に学習する機会にするために月次で実施します。「生成系AIの実情と可能性」や「生成系AIのビジネス転用方法」といった生成系AIを中心にしたテーマについて学習します。さらにPoCの推進を強化するために、現場改善案を社内募集し、実装させ、成果をあげるところまでプログラムに含まれます。

 また、各月で同じテーマを複数名チームで学習することで、職位やユニットを超え、社員同士のつながる学習の機会としての相乗効果も図ります。

ChatGPTなど生成AIの活用を推進する「AIラボ」をスタート

クレディセゾンの事例

日本のクレジットカード会社であるクレディセゾンは「ChatGPT」を活用し、お客様対応時のアシスタントやレポート作成などの業務オペレーションの改善に取り組んでいます。

当社は総合生活サービスグループへの転換を目指し、中期経営VISIONの基本コンセプトとして、「Digital」「Innovative」「Global」を掲げ、各事業を成長させるキードライバーの1つとして、DXを位置付けています。
今後、さらなる感動体験の創出に向けて、大規模言語モデルを用いた高度な対話型AIである「ChatGPT」を活用し、お客様対応時のアシスタントやレポート作成などの業務オペレーションの改善に取り組んでいきます。
これまで以上に、デジタルを活用した新たなお客様体験の提供や、デジタル人材によるイノベーションの創出に向けて取り組んでまいります。

クレディセゾン「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」に選定!

リンクバルのトピック

machicon JAPAN(マチコンジャパン)などのサービスを展開するリンクバルは、ChatGPTなどAI活用による業務プロセスの効率化および新たな付加価値の創出を目指した社内コンテスト『Linkbal BizHack コンテスト』を開催しました。

AI技術の進歩により、多くの企業でAIの活用が進む中、リンクバルは積極的に技術を取り入れ、業務プロセスの効率化および新たな付加価値の創出に取り組んでいます。その一環として、社内コンテスト『Linkbal BizHack コンテスト』の開催を通じて、従業員のクリエイティビティとチームワークを促進し、ChatGPTを活用した生産性向上のアイデアや具体的な取り組みを競い合う場を提供いたします。

株式会社リンクバル、ChatGPT活用による生産性向上を目指し、『Linkbal BizHack コンテスト』を開催!

自治体がChatGPTを導入した事例やトピック

長野県飯島町の事例

ChatGPTは特に文章の作成・校正・要約の業務に対して、大きな効果を発揮しています。
例えば、会議の議事録の作成や行政文書の作成など、時間と人手を必要とする業務に対して、効率化を図ることができています。
また、広報紙の中にChatGPTを使用して作成した文書を掲載しました。
他にも新たな提案やアイデアの生成、エクセルなどのシステムのプログラム・関数の作成などでも活用されています。

大阪府枚方市の事例

大阪府枚方市はIT企業と連携し、チャットGPTにFAQを作らせる実証実験を始めました。

 「以下のFAQ(よくある質問と回答)を組み合わせ、新たなFAQを10個作ってください」

 5月下旬、市庁舎内の一室。市民からの相談業務を担う広聴相談課の男性職員はパソコンと向き合い、慣れた手つきで専用サイトにこう打ち込んだ。市のホームページ(HP)に掲載されている災害関連の複数のFAQも同時に入力した。

 10秒かかっただろうか。一つ目の想定問答が画面に映し出された。

 「枚方市では津波の心配がありますか?」「内陸部に位置し、心配はありません」

 次から次へと生み出されるFAQ。「避難所では食事が提供されますか?」の回答案には、職員も驚かされた。

市民サービスにチャットGPT 大阪のベッドタウンが全国初の挑戦

静岡県富士市の事例

富士市が6月7日、市役所の業務に生成AIを活用することを発表しました。

対象は市役所に勤める職員全員で、使用する生成AIは、米OPENAI社が開発「ChatGPT」と米Google社が開発した「Bard」の2種。生成AIの活用は実験的で、どちらも無料版を使う。市役所では利用に先立ちガイドラインを作成。「市民の個人情報を入力しない」「使用する際は上長の許可を得る」「正確性は自身で確かめ、裏付けを行う」などのルールを決めた。

富士市が業務に生成AI活用 「よきアドバイザー」として文章作成支援

兵庫県神戸市のトピック

兵庫県神戸市はChatGPT利用ルールを全国で初めて条例化しました。

神戸市は、ChatGPTをはじめとする生成系AIについて、2023年5月24日(木)に、職員が業務で活用する際のルールを定めた条例改正案を賛成多数で可決、成立したことを発表しました。
※神戸市の調べでは生成系AIの利用ルールを条例で定めるのは全国初の取組み。

神戸市 ChatGPT利用ルールを全国で初めて条例化

香川県善通寺市の事例

香川県善通寺は市職員等への「ChatGPT」研修を実施しました。

善通寺市は、こうしたチャットGPTの研修や子ども向けのプログラミング教室の開催の支援などについて、東京の企業「CA Tech Kids」と協定を結びました。 職員が積極的に「チャットGPT」に触れ、業務につなげることが狙いです。

チャットGPTを地方行政にどう活用?  善通寺市の職員が研修 香川

神奈川県横須賀市の事例

横須賀市は「実証」と呼ぶものの、期間雇用などを含む全職員約4000人を対象に広範な実業務で利用を認めています。

自治体が期待する業務利用は、まず庁内や市民向け文書の効率的な作成だ。慣れやケースにもよるが、横須賀市は「文書作成の所要時間が半分~数分の1に短縮できる可能性がある」(生成AI導入を担当した経営企画部デジタル・ガバメント推進室)と期待する。

横須賀市・つくば市が全面導入、ChatGPTは人手不足に悩む自治体の救世主になるか

茨城県つくば市の事例

茨城県つくば市では5月15日時点で約15%に当たる320人の職員が業務に活用しています。

つくば市はLoGoチャットからGPT-3.5のAPIを利用する際に、AIが文章生成で参考にしたと考えられる資料や出典を示す独自の機能も追加した。職員がAIの回答をうのみにせず、自ら確認することを促す狙いだ。筑波大学システム情報系の鈴木健嗣教授が協力して開発した。

横須賀市・つくば市が全面導入、ChatGPTは人手不足に悩む自治体の救世主になるか

茨城県笠間市の事例

茨城県笠間市は対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の試験運用を5月中旬から始め、範囲を限定せず市の全ての業務で導入することを決めました。

茨城県笠間市は8日までに、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」の試験運用を5月中旬から始め、範囲を限定せず市の全ての業務で導入することを決めた。政策立案や議会答弁、行政サービスの案内補助などでも使う。有効活用できる分野を抽出し、課題を洗い出すのが狙い。

チャットGPT、全業務で試験的運用へ 茨城・笠間市

中央官庁がChatGPTを導入した事例やトピック

農林水産省の事例

農水省は「農林水産省共通申請サービス(eMAFF)」の利用者向けのマニュアル改定作業で最初にChatGPT利用を進めました。

農水省が最初にChatGPT利用を進めるのは、「農林水産省共通申請サービス(eMAFF)」の利用者向けのマニュアル改定作業である。eMAFFは、同省のほぼ全ての行政手続き約5000件をオンラインで受け付けたり処理したりする。利用マニュアルの改定などに際し、文章作成や適切に修正するといった作業にChatGPTを使う。

農水省が4月中にも中央省庁初のChatGPT利用、先陣切って実際の業務で使うワケ

文部科学各省のトピック

内閣府など関係省庁で検討する「AI戦略チーム」は、学校現場でのAI利活用のガイドライン(指針)を文部科学省で策定し、公表する方針を示しました。

 「ChatGPT」など文章や画像を自動で作り出す生成人工知能(AI)の利活用について、内閣府など関係省庁で検討する「AI戦略チーム」は5月8日、2回目の会合を開き、学校現場でのAI利活用のガイドライン(指針)を5月下旬以降に文部科学省で策定し、公表する方針を示した。生成AIには誤情報提供などリスクも指摘されているため、教育現場での利活用には懸念も予想される。政府は慎重に指針策定を進める方針だ。

学校現場のAI利活用、指針策定へ 政府

経済産業省のトピック

西村経済産業大臣は、公務員の負担軽減につながる可能性があるとして、経済産業省での活用を検討する考えを示しました。

対話型AI「ChatGPT」の経産省内での活用について、最新のデータを反映できれば国家公務員の負担がかなり軽減される可能性があるとして、「ぜひ活用を考えていきたい」と前向きに検討する考えを示した。

西村経産相「ChatGPT」経産省での活用を検討 公務員の負担軽減へ

デジタル庁の事例

デジタル庁は機密情報を扱わない範囲で業務利用する意向を示しました。

デジタル庁と経済産業省、農林水産省は15日に開かれた政府の「AI戦略チーム」会合で、対話型人工知能「チャットGPT」に代表される生成AIを、機密情報を扱わない範囲で業務利用する意向を示した。チームは了承した。

デジタル庁など3省庁が生成AI業務利用へ

学校教育機関がChatGPTを導入した事例やトピック

県立長崎北高校の事例

長崎市の県立長崎北高校で、2年生約80人が、AIを使った英語の授業にのぞみました。

生徒に英語の使い方について改善点を提案しているのは、先生ではありません。

対話型AI「チャットGPT」です。

長崎市の県立長崎北高校で、2年生約80人が、AIを使った英語の授業にのぞみました。

長崎北高校 上村洸貴 さん 「チャットGPTを使って、英語の発信力を強化しようとしたらどういうことがができるのか共有していきたい」

「教育現場でのAI活用」をテーマに、生徒ひとりひとりが英作文に挑戦し、その添削をAIが担います。

未来の家庭教師!? 高校でチャットGPT使った英語の授業

愛媛大学教育学部附属中学校の事例

愛媛大学教育学部附属中学校は水溶液の性質を学ぶ授業でChatGPTを活用しました。

「今までは生徒の記入に赤線を引いたり、紙にハンコを押したりして返すだけで精いっぱいだったんです。でもChatGPTを使ってみると、瞬時に4つ、5つの文で返すことができ、時間短縮になりました。生徒の方は、質問するハードルが下がってきた感じがします」

生成AI 学校でどう教える?子どもへの影響は?

東京学芸大学附属小金井小学校の事例

東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹 教諭は、4年生の道徳で生成AIを使っていました。

「子どもたちはAIとともに生きていくので、小学生の段階で『こういうものなんだ』と知っておいてほしい。AIを信じ込んでしまうのではなく、ツールとして安全に使えるようになってほしい」

生成AI 学校でどう教える?子どもへの影響は?

函館市立万年橋小学校の事例

北海道の函館市立万年橋小学校の藤原友和 教諭は、学芸会の出し物として劇を行うため、学級活動の時間に台本をAIに作らせました。

「劇や音楽といった構成をクラスの話し合いで決めるのは非常に時間がかかる。AIはアイデアや論理的な文章を瞬時に出すことが得意なので、その力を借りた。その後、クラスで起きた出来事というオリジナルの要素を自分たちでいかに組み合わせるかを考えれば、独自性のある劇になると思う」

生成AI 学校でどう教える?子どもへの影響は?

神山まるごと高専の事例

起業家育成を目指し、ことし4月に設立された徳島県の私立・神山まるごと高専では、ChatGPTの1人あたり月20ドルのライセンスをすべての学生と教員に与えました。

最新の技術やサービスを使いこなすことでビジネスのアイデアに結び付けることが目的です。

授業でも活用を始めていて、体育の授業では2週間で健康になるための食事や栄養に関する行動をテーマに、AIと対話しながら手軽に取り組むことができる食事について考えているということです。

生成AI 学校でどう教える?子どもへの影響は?

以上、「ChatGPT API」及び対話型AIの業務活用を公言している日本の大手企業や自治体など組織の活用事例でした。