【長野県飯島町】ChatGPT活用により住民サービスの向上を目指す

長野県の南部、伊那谷の中央に位置する飯島町。
西は中央アルプス、東は南アルプスに囲まれた「ふたつのアルプスが見えるまち」です。
そんな長野県飯島町のChatGPT活用状況について、お話を伺いました。

ChatGPT活用を決めた背景

町長(下平洋一町長)からのChatGPTを行政業務に活用できないかという提案から、セキュリティ面を考慮しつつ「まずは使用してみよう」ということで、約半年間の試験的導入を決めました。

ChatGPTの具体的な活用方法、活用シーン

ChatGPTは特に文章の作成・校正・要約の業務に対して、大きな効果を発揮しています。
例えば、会議の議事録の作成や行政文書の作成など、時間と人手を必要とする業務に対して、効率化を図ることができています。
また、広報紙の中にChatGPTを使用して作成した文書を掲載しました。
他にも新たな提案やアイデアの生成、エクセルなどのシステムのプログラム・関数の作成などでも活用されています。

今後の課題

業務効率の向上や職員の負担軽減につながる具体的な活用事例の蓄積と、それによる業務改善の実現が挙げられます。
また、この新たな取り組みに対する町民の方々からの理解と信頼も重要で、そのためには、ChatGPTの安全性や有用性を周知することが必要と感じています。

町民の方へのメッセージ

私たちはChatGPTを安全に活用し、業務効率を高めることにより住民サービスの向上につなげていきたいと思います。

飯島町の広報誌より

Q:町長さん、パソコンを見て何をしているの?

今話題の対話式AI「チャットGPT」を使って、調べ物をしていました。
質問を入力すると、会話をしているように文章で答えを返してくれるんですよ。
家族が勧めてくれたことがきっかけで使ってみましたが、とても便利で面白いですね。
質問の仕方によっては、きめ細やかな返しをしてくれます。
そこで、チャットGPTを町の業務に活用できないか提案しました。
使い方に注意しなければならないところはありますが、町の業務の効率化や住民サービスの向上に向けて、有益なものになると思います。
今までの情報社会で集まってきたビッグデータを、人工知能を通じて活用できることはありがたいですね。
しかも簡単にできるので、これは行政で使わないともったいないと感じました。

まだまだ精度が高いとは言えませんが、情報に間違いがないか注意しながら、使って早く慣れること、また、役場内での行政課題やアイデア出しについて、AIとのやりとりの情報交換を各部署が連携し、利用スキルを向上させることが、AIに対して人間の学習能力を高めるのに必要なことと思います。
チャットGPTは情報収集に活用するだけでなく、発信のためにもどんどん活用していきたいですね。

今回のチャットGPTの活用についてはさまざまな報道機関に取り上げていただきました。
長野県内の活用は初めてで、全国的にも早いそうです。
当面は試験運用を行い、問題点を洗い出し、よりよい活用方法を検討していく予定です。

「いいじま未来飛行」5月号