2025年4月14日、OpenAIは新たなAIモデル「GPT-4.1」「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」を発表しました。
この記事では、これらの最新モデルについてGPT-4(前モデル)との比較を含めて解説します。
OpenAIのGPT-4.1シリーズのポイント
先にGPT-4.1シリーズのポイントを簡潔にまとめると、以下の通りです。
- GPT-4.1はGPT-4よりも正確で速く、賢くなった
- miniとnanoは軽量版で、用途に応じて手軽に使える
- 社会人としてAIを活用できると、仕事の効率もキャリアの可能性も広がる
そもそもGPTとは?
「GPT」とは、「Generative Pre-trained Transformer(生成型事前学習済み変換モデル)」の略で、文章を理解し、文章を作るAIです。
これまでのAIよりも自然で人間らしい会話ができるため、チャットボット、翻訳、文章生成など、さまざまな用途で使われています。
OpenAIは、GPTシリーズとして以下のようなモデルをリリースしてきました:
- GPT-1(2018年):基礎的な構造を持つ最初のモデル
- GPT-2(2019年):文章生成能力が大きく向上
- GPT-3(2020年):1750億個のパラメータ(脳の神経にあたる部分)を持ち、大規模化
- GPT-4(2023年):より論理的で、マルチモーダル(画像も理解できる)な性能を実現
- GPT-4.1(2024年):GPT-4の改良版で、精度や速度が向上
GPT-4.1とは?前モデルとの違い
1. 精度の向上(間違いが減った)
GPT-4は非常に賢いモデルでしたが、それでもたまに「もっともらしいけど間違っている答え(いわゆる“ハルシネーション”)」をすることがありました。GPT-4.1では、この誤りがさらに減り、正確な情報を返す力が強化されました。
2. 高速化と効率化
GPT-4に比べて、処理速度が速くなったという点もポイントです。これにより、チャットなどのレスポンスがよりスムーズに返ってくるようになっています。
また、計算の効率もよくなっていて、同じ処理でも少ないエネルギーで動くようになっています。
3. マルチモーダルの強化(画像も理解)
GPT-4でも画像の理解は可能でしたが、GPT-4.1ではさらに性能が強化され、複雑な画像や図表の読み取りがより正確になりました。これにより、たとえば「この図から何が読み取れる?」といった指示にも的確に答えてくれます。
4. 「ツール」への対応が柔軟に
GPT-4.1は、他のツールと連携する機能も強化されていて、例えば「ウェブ検索」「計算ツール」「コード実行」など、必要なツールを自動で切り替えて使い分けることができます。まるで一人の優秀なアシスタントが、状況に応じて道具を使い分けているようなイメージです。
GPT-4.1 mini/nanoとは?
ここからは、より軽量なバージョンである「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」について紹介します。
1. GPT-4.1 mini
- GPT-4.1と同じ仕組みを小型化したモデル。
- モバイルや簡易的なアプリケーションで動かしやすい。
- パフォーマンスはやや劣るものの、日常的なチャットや簡単な文章生成には十分。
例えるなら、GPT-4.1が高級外車(性能が高いが燃費が悪い)だとしたらminiは軽自動車(燃費が良く、コンパクト)というイメージです。
2. GPT-4.1 nano
- 最も小型なモデルで、スマートフォンや家電などの組み込み用途に向いています。
- ChatGPTアプリの無料ユーザーが使っているのが、このnanoモデルです。
- 性能は最小限ですが、簡単な応答や基本的な案内などには向いている。
例えるなら、nanoは電動キックボードのような存在。近場の移動やちょっとした用事に便利、という感じです。
【比較表】GPT-4、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、GPT-4.1 nano
GPT-4、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、GPT-4.1 nano、それぞれのモデルの処理速度や精度の比較は以下の通りです。
モデル名 | 特徴 | 処理速度 | 精度 | 用途例 |
---|---|---|---|---|
GPT-4 | 高精度で万能 | 中 | ★★★★★ | 論文作成、ビジネス分析 |
GPT-4.1 | GPT-4の改良版、高速で正確 | 速い | ★★★★★+ | 画像解析、ツール連携など多用途 |
GPT-4.1 mini | 軽量で実用的な汎用モデル | とても速い | ★★★★☆ | カスタマーサポート、簡易対話 |
GPT-4.1 nano | 超軽量、スマホ向け | 最速 | ★★☆☆☆ | 日常会話、簡単な質問応答 |
以上、OpenAIの新たなAIモデル「GPT-4.1」「GPT-4.1 mini」「GPT-4.1 nano」について解説しました。